京都の神社仏閣には、七不思議いうもんがぎょうさんあります。七不思議どころか、15も16もあるとこもあります。実際、「京都七不思議」(おけいはんネットより)というのも存在します。
京都市東山区新橋通にある「知恩院」さんにも、古くから伝わる七不思議があるというので調べてみました。ちなみに、知恩院さんは高校生の時にご縁のあるお寺でした。
現在は高校名が変わり「京都文教高等学校」になっていますが、今も4月の行事では花まつり入学式や1学期始業式、新入生知恩院合同参拝が行われています。
なんや懐かしい気がします。(遠~~い昔のことですが…笑)
京都知恩院七不思議!知恩院に古くから伝わる七不思議って普段は見れない?
知恩院さんに古くから伝わる「七不思議」は、普段公開されてへんものが多いので、全て見れへんそうです。
京都知恩院七不思議!
その1.鴬張りの廊下
御影堂(みえいどう)から集会堂、大方丈、小方丈に至る廊下は、全長550メートルもの長さがあります。歩くと鶯の鳴き声に似た音が出て、静かに歩こうとするほど、音が出るので「忍び返し」ともいわれ、曲者の侵入を知るための警報装置の役割を担っているとされています。
また鶯の鳴き声が「法(ホー)聞けよ(ケキョ)」とも聞こえることから、不思議な仏様の法を聞く思いがするともいわれています。
鴬張りの廊下は、二条城にもあります。歩くたびに、キュッキュッって音がします。あッ別に傷んでるわけやないですから。
その2.白木の棺
三門楼上に二つの白木の棺が安置され、中には将軍家より三門造営の命をうけた造営奉行、五味金右衛門夫婦の自作の木像が納められています。
五味金右衛門は立派なものを造ることを心に決め、自分たちの像をきざみ命がけで三門を造りました。やがて、三門が完成しましたが、工事の予算が超過し、夫妻はその責任をとって自刃したと伝えられています。この夫婦の菩提を弔うため、白木の棺に納めて現在の場所に置かれたそうです。
その3.忘れ傘
御影堂(みえいどう)正面の軒裏には、骨ばかりとなった傘がみえます。
当時の名工、左甚五郎が魔除けのために置いていったという説と、知恩院第32世の雄誉霊巌上人が御影堂を建立するとき、このあたりに住んでいた白狐が、自分の棲居がなくなるので霊巌上人に新しい棲居をつくってほしいと依頼し、それが出来たお礼にこの傘を置いて知恩院を守ることを約束したという説が伝えられています。
傘は雨が降るときにさすもので水と関係があるので、忘れ傘は知恩院を火災から守ってくれていると信じられています。
その4.抜け雀
大方丈の菊の間の襖絵は狩野信政が描いたものです。紅白の菊の上に数羽の雀が描かれていたのですが、あまり上手に描かれたので、雀が生命を受けて飛び去ったのだといわれています。現存する大方丈の襖絵には、雀が飛び去った跡しか残っていないとか。
その5.三方正面真向の猫
方丈の廊下にある杉戸に描かれた狩野信政筆の猫の絵で、どちらから見ても見る人の方を正面からにらんでいるのでこの名があります。
親猫が子猫を愛む姿が見事に表現されていて、親が子を思う心、つまりわたしたちをいつでもどこでも見守って下さっている仏様の慈悲をあらわしているそうです。
その6.大杓子(おおしゃくし)
大方丈入口の廊下の梁に置かれている大きな杓子です。大きさは長さ2.5メートル、重さ約30キログラム。伝説によると三好清海入道が、大坂夏の陣のときに大杓子をもって暴れまわったとか。兵士の御飯を「すくい」振る舞ったといわれています。
「すくう」、すべての人々を救いとるといういわれから知恩院に置かれ、阿弥陀様の慈悲の深さをあらわしているそうです。
その7.瓜生石(かしょうせき)
黒門への登り口の路上にある大きな石は、知恩院が建立される前からあるといわれ、周囲に石柵をめぐらしてあります。
この石には、誰も植えたおぼえがないのに瓜のつるが伸び、花が咲いて瓜があおあおと実ったという説と、八坂神社の牛頭天王(ごずてんのう)が瓜生山に降臨し、後再びこの石に来現し一夜のうちに瓜が生え実った、という説が伝えられているそうです。
また石を掘ると、二条城までつづく抜け道がある、隕石が落ちた場所であるなど、さまざまな話が言い伝えられている不思議な石やそうです。
「七不思議」の拝観について
方丈庭園の拝観コース内(大方丈展示ブース)にて「七不思議」の展示を行っています。
拝観受付は、法然上人御堂内の東側廊下にございます。
・場所:方丈庭園拝観コース「大方丈展示ブース」
法然上人御堂よりお入りください。 → 境内地図・展示物:「抜け雀」「三方正面真向の猫」「大杓子」
「鶯張りの廊下」構造模型 その他・拝観料:「庭園拝観のご案内」をご参照ください。
※「白木の棺」は三門楼上特別公開の際に、「瓜生石」(黒門前道路の交差点)はいつでもご覧いただけます。「忘れ傘」は御影堂平成大修理中につき拝観できません。
知恩院さんの拝観時間 :
午前9時から午後4時30分(午後4時 受付終了)
知恩院さんの七不思議は、普段は見れへんかもですが、もしかしたら特別公開されることがあるかも知れません。その時は見てみたいですね。
※諸堂修理中につき、実物は非公開とさせていただいているものもあります(2018 – 2023)
最後までお読みくださってありがとうございました。