「京都五山送り火」は、お盆の精霊を送る伝統行事です。東山に大の字、松ケ崎に妙・法、西賀茂に船形、大北山に左大文字、そして、嵯峨に鳥居形が点ります。これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財です。
京都五山送り火が見えるベストスポットって?
一番人気があり、人が集まるのは京阪電車の「出町柳駅」の周辺です。”大文字”が近くで見えますし、鴨川を北上すれば”妙”の字などもはっきり見えます。
個人的に気に入ってるのは、地下鉄の「北大路駅」の周辺です。”大文字”もはっきり見えますし、”船形”や”左大文字”も見えます。それぞれの送り火が見えるポイントには、人が集まってるのですぐわかります。
西大路通りの北端にあたる,わら天神の付近からもきれいに”左大文字”が見えます。まわりに宿泊施設などがないので,見に行かれるのはほぼ地元の方だと思います。
また,鴨川の脇を通る川端通り沿いで,荒神橋の東辺りもほぼ真向こうに”大文字”が見えるのでおすすめですが,混むことは必須でしょうね。
あとは、”大文字”一つしか見えませんが、京都御所は雰囲気がいいですね。建礼門という門の前からよく見えます。
送り火はなるべく近いところから見たほうが迫力があります。京都駅周辺や東山地区でも見れる場所はありますが、遠くてあまり迫力がありません。
”左大文字”や”鳥居形”の西のほうの送り火は広範囲で見れるので、比較的すいてると思います。
ただ、送り火がはじめてでしたら、人は多くても「出町柳駅」や「北大路駅」の周辺でいくつか見られたほうが楽しいと思います。
京都五山送り火のそれぞれの点火時間は?
起源は諸説ありますが、江戸の頃までは、人が山に登って松明を掲げていたとか。
万灯会や松明上げなどの行事が行われたのちの8月16日、午後8時に、京都市内の看板などの明かりがいっせいに消され、東山如意ケ岳(大文字山)の「大」が点火されます。
続いて万灯籠山の「妙」、大黒天山の「法」が8時10分、西加茂船山の「舟形」と大北山の「左大文字」が8時15分、8時20分に最後の嵯峨鳥居本曼荼羅山の「鳥居形」が点火されます。
組み上げられた護摩木は、20~30分で燃え尽きますので、9時前には「鳥居形」も消えてしまいます。
京都五山送り火「大文字焼きと言わないで!」の理由
江戸時代~明治初期までは「大文字焼き」と呼んでいたが、火事を連想させるため、時の政府に廃止にされた。
政府に復活をお願いする際に、火事を連想させる言葉は使わないという事で「五山の送り火」との名称にしたらしい。
諸説ありますが、京都の町衆でも江戸時代には、大文字焼きの言葉は割と普通に使っていたとされています。
特に「「~焼き」なんてお饅頭みたい」と言うフレーズは、ここ30~40年で浸透したものです。保存会系の家柄と同じく、町衆の中でも古い家柄のところは昔から言っていたようですが。
送り火に携わる家系の人々にとっては、燃えている薪も単なる材木ではなく、各家の諸霊の戒名などが書かれているという大切な宗教行事なので、この言い回しはやはり禁句だったんです。
「五山の送り火」の方が宗教性を感じるし、”大文字焼き”はなんか回転焼きみたいで違和感ありますね。
京都市民の間では、どちらの言い方もされている(特に年配の方とか)と思いますが、「大文字見にいこか」「今日は大文字の日やな」が一番多いように私は思います。
なお、京都の送り火が”五山”になったのは昭和初期の頃。
江戸時代後期から明治始めは、「一」「い」「長刀」「蛇」「鈴」の五山が加わり、十山の送り火だったものが、資金難や後継者不足などで次第に減って現在の形になったといわれます。
まとめ
子どものころ母からは「大文字焼き」とか「大文字さん」とか聞いたようにも思うけど…
それよりなにより、8月16日は私が生まれた日!やのに、お盆の準備で忙しくほぼ忘れられてたことが(¯―¯٥)カナシカッタ…
京都 五山送り火は、京都のお盆の大切な伝統行事です。「”大文字焼き”やなんて言わんといて!」と思う京都市民の思いをちょっとでもご理解いただけたらと思います。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。